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2016年06月18日 (土) | 編集 |
コクーン歌舞伎「四谷怪談」を観て来ました!
有名なお話ですが、私は初見です。
お岩さんの話というと、何となく「ああ、あれ・・・」という感じですが、歌舞伎の世界では伊右衛門とお岩が主役の南番と、直助とお岩の妹・お袖が主役の北番というのがあるそうで、今回は北番がベースということでした。
コクーン歌舞伎は、亡き勘三郎さんが始められたもので、その息子である勘九郎さんが、今回は直助役。お袖が七之助さん。伊右衛門が中村獅童さんで、お岩と与茂七が中村扇雀さんです。

ポスターはスーツ姿でビルの中を歩く演者達なんですが、コクーン歌舞伎ということで、主な登場人物は歌舞伎のメイクと衣装、セリフも歌舞伎のセリフですが、サラリーマン姿の人達がいたり、ポン引きも現代風の衣装だったりという現代と融合した演出となっています。

舞台は、最初茶店で働くお袖に直助が言い寄る場面から。直助はお袖につれなくされます。
一方、裕福な伊藤喜兵衛(笹野高史)が孫娘のお梅(中村鶴松)を連れて、お袖のいる茶店に立ち寄ります。
お梅はお岩の夫である伊右衛門に恋をしてしまいます。
直助は、お袖をものにするため、お袖の夫である与茂七(実は別人)を殺し、伊右衛門は悪事を知られたため、舅であるお岩とお袖の父左門を殺してしまいます。
お岩は、左門によって連れ戻されていましたが、左門が死んだことにより、左門の仇を打つという伊右衛門とよりを戻し、お袖も夫を殺されたことにより、夫の仇を打つという直助と同居します。
子を産んだ後、寝込みがちになったお岩に、隣家の伊藤家は何かと親切にしてくれていましたが、ある時「血の道によい」と言われる薬を渡されます。感謝しつつ、その薬を飲むお岩。
一方、伊藤家に礼を言いに行った伊右衛門は、伊藤喜兵衛から金を積まれて孫娘お梅の婿になるよう迫られ、お岩に飲ませた薬が顔面が崩れる毒薬であることを告げられます。

伊右衛門は悪役ですが、この時だまして薬を飲ませた喜兵衛は非道いですよね・・・。もし喜兵衛がここまでしなければ、伊右衛門もお岩を簡単には捨てなかったんじゃないかな~と思いながら観ておりました。
喜兵衛役は笹野さんがコミカルに演じていて、残酷な話の息抜きになっているのですが、一番のワルかも~。

伊右衛門は、按摩の宅悦(片岡亀蔵)にお岩の間男になるよう命じます。
しかし、宅悦はお岩にすべてを打ち明け、お岩は狂乱のうちに死んでしまいます。

お岩が母の形見の櫛でせめて髪を整えようとすると、とかす度に髪が抜け落ち、最後は恐ろしい形相になります。
お岩が握りしめた手から血が流れ、その血を猫がなめるのですが、お岩が死んだ後、鼠の大群が現れて子供を連れ去り、お岩の血を舐めた猫も鼠に殺されるという・・・ぞっとする場面が展開しました。
なんで鼠が現れるのかと言うと、お岩さんが鼠年の生まれだから・・・。お岩を演じる扇雀さんも鼠年生まれだそうです。

そこに戻って来た伊右衛門は、納戸に捕らえていた小仏小平を殺し、お岩と密通し殺した下手人としてお岩と小平を戸板に打ち付けて川に流す。
急いで片付けた家に、伊右衛門はお梅を迎えますが、新枕を交わそうとした時、お岩の霊が現れて、伊右衛門はお梅を切り殺し、舅の喜兵衛まで切り殺してしまいます。

この時、お岩の霊は伊右衛門にしか見えておりません・・・。つまり、伊右衛門が「お岩!」と叫びながら梅に切りつけるのですが、客席からはお岩が見えるような仕掛けは特にないのです。この辺りは、すべて演技でカバーという感じになっておりました。

後半は、お濠でウナギ獲りをしていた直助がお岩の櫛をみつけ、お濠で魚釣りをしていた伊右衛門が戸板を見つける場面から。
この戸板は裏表にお岩と小平が打ち付けられているもので、お岩と小平が二人一役で行ったりするようですが、今回は戸板がスクリーンになっていて、お岩と小平の映像が映し出されるという仕組みになっていました。

喜兵衛役の笹野さんは、後半は伊右衛門の母・お熊として登場。
「第三者の厳しい目で!」「都民にお返しなさい!」などと旬なアドリブを飛ばしておりました。

家に戻った直助が持っている櫛を見て、お袖は姉のお岩のものであると知り、直助に売らないでくれと頼みます。
直助が承知したフリをして櫛を売りに行こうとすると、お岩の手が絡みついて来ます。
・・・この辺りも、特別な演出はなく、演技です。
勘九郎さんがお岩に振り回される場面をコミカルに演じていました。

そこに、死んだと思っていたお袖の亭主・与茂七が帰って来ます。
お袖は、与茂七と直助それぞれに何事かささやくのですが、後で二人が刀を持って飛び込んだ先にいたのはお袖でした。
心ならずも夫を裏切ったお袖は、二人が自分を刺すように仕向けたのでした。
死にかけたお袖の元に「お袖を兄に合わせたかった」という人が訪ねて来て、お袖の父の名を聞いた直助は、お袖が実の妹だったことを知り、自害します。

この後のラストシーンは、幻想的で抽象的。
サラリーマンのような背広姿の男達や時代劇姿の乞食や町人達が入り乱れて行きかうところに、上から今まで死んでいった登場人物がぶら下がってきて、死者を模した人形がぼたりぼたりと落下する中を彷徨う伊右衛門。
そこに、鉢巻を締めた仇討ち姿の与茂七が現れて終幕となります。
はっきりと伊右衛門が殺される場面はありませんが、物語としては、伊右衛門が与茂七に討たれるという暗喩だと思われます。

北番中心と言いながらも、お岩もたっぷり見せる舞台となっていました。
勘九郎さんの直助は悪い目つきも恰好よく、愛嬌もあって魅力的でした。
今回良席で見させてもらい、間近で観られたのですが、勘九郎さんの目力すごいなあと思いました。

七之助さんは相変わらずお美しい~。
品のあるお袖で、直助が横恋慕するのも無理からぬという感じ。

お梅の鶴松さんも、初々しくて可愛らしい。
役としては、お岩に祖父が毒を飲ませたと知っても、お金で伊右衛門を婿にしようとするので、なんだかな・・・ですけど。
見た目はとっても可憐でした。

獅童さんはさすがの貫禄でした。
伊右衛門は、男前でありながらワルという役ですが、伊右衛門も当初は舅にお岩を返してくれと頼んでいたわけで、お岩に気持ちがあったんだと思われ・・・。でも、最後は体の悪いお岩と生まれたばかりのわが子から着物をはぎ取る非情な男に成り下がってしまいます。人間の業を見る思いがしました。

扇雀さんのお岩も、伊右衛門にないがしろにされながら、わが子を守ろうとする辺りなど、鬼気迫る演技。
与茂七と二役だって、最初気づかなかった(^^;
それだけうまく演じわけていたってことで。

ラストは少し不思議な感じでしたが、歌舞伎を知っている人に言わせると、本当はとても長い話を上手く端折っているみたいです。
そのうち、古典も見たい気がします。
寺好きなので、お岩稲荷(陽雲寺)にもそのうち行ってみたいです。
お岩とお袖の父・左門が物乞いをしていたのは浅草寺の境内。左門が殺されたのも浅草の裏田んぼ。
戸板が流されるのは雑司ヶ谷の面影橋で、戸板が流れ着く深川隠亡堀とは、江東区にある横十間川親水公園の岩井橋の辺りだとか。
そんな風に都内の各所を思い描くのも、ちょっと面白いですよね~。
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テーマ:歌舞伎
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